ドローン飛行経歴10時間は監督者不要?国交省ヘルプデスクに確認してみた
前回の記事で、ドローンの(特定飛行を行うにあたっての)飛行許可申請に必要とされる
- 「10時間以上の飛行経歴」
- 「無人航空機に関する知識・能力」
について、本当に自己申告でよいのか?というテーマを取り上げました。そしてこの疑問のみならず、多くの方も気になっているはずの
“10時間の飛行訓練は、経験者や監督者の立会いが不要なのか?”
という点についても、この度あらためて国交省無人航空機ヘルプデスクへ問合せし確認してみました。
結論から言えば、
一切飛行許可申請は自己申告でよく、また飛行訓練において監督者の立会いも必須ではない、との回答でした。
本当に申請が自己申告でOKなのかという疑問は置いといても、この10時間の飛行訓練については監督者の下で行わなければならない、という情報・解説がネット上で多く見られるのですが、実はそうではないようです。
無人航空機の「飛行マニュアル」と「飛行に関する許可・承認の審査要領」の食い違い
この問題が少々ややこしいのは、国交省の関係文書によって記載内容が異なるためです。
その文書の一つである国交省の昨年改正版「無人航空機 飛行マニュアル」(2.無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項 2-1 無人航空機を飛行させる者の訓練 (1)基本的な操縦技量の習得)
には、以下のような記載があります。
> プロポの操作に慣れるため、以下の内容の操作が容易にできるようになるまで10時間以上の操縦練習を実施する。
> なお、操縦練習の際には、十分な経験を有する者の監督の下に行うものとする。
この記載を見ると、「10時間訓練=監督者必須」とあるので、当然これに従わざるを得ないと思いますよね。
しかし、一方で同じく昨年12月に改正された飛行許可申請の審査基準となる文書の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)」の方では、
> 飛行を予定している無人航空機の種類別に、10時間以上の飛行経歴を有すること
とあるだけで、監督者についての具体的な記載はないのです。
この疑問については、以前から一部で、
> 「国交省ヘルプデスクからは“監督者不要”との回答が出ている」
という話があり、今般、自分でも国交省ヘルプデスクへ確認してみたのです。
その結果、やはり回答は同じで、
> (屋内飛行のように)特定飛行に該当しない範囲で行う飛行練習であれば監督者がいなくてもよい
という見解を確認できました。
つまり、特定飛行に該当しない飛行であれば個人が一人で飛行練習を行え、その合計が10時間に達すれば審査基準である飛行経歴として扱われるということになるわけです。
言い換えれば、特定飛行に該当しない飛行ですので、そもそも航空法上、第三者の監督や補助者は必須ではないので、ある意味当たり前と言えるかもしれません。
もちろん逆に言えば、夜間飛行や目視外飛行など、特定飛行に該当する内容で訓練するのであれば、必要な許可・承認や監督者の下での飛行が必須となるわけです。
それから、さらにすべて自己申告でよいのかという問題についてもヘルプデスクに聞いてみたことですが、この10時間の飛行経歴のみならず必要な知識や能力の申告について、特に(例えば訓練飛行の日誌とか第三者の証明とか)エビデンスを求めるものではないということも確認しました。
正直、拍子抜けです。これでは誰でもいい加減に申告ができてしまうことになります。せめて「エビデンスを具備しておく」、とかもう少し厳しめの運用にした方がよいと思うのは自分だけでしょうか・・?
では一人でどう飛行練習するのか?やはり監督者に見てもらった方がよくはないか?
① 特定飛行を対象にしないで訓練飛行を行う場合に考えるべきこと
大事なことは、いくら一人で自由に飛行練習できるといっても、特定飛行に該当しない範囲でしかできません。
つまり、どんな飛行が特定飛行に該当するのか、何をやると問題になるのか、を十分理解しておく必要があります。
初心者の方は特に注意が必要でしょう。
では実際に飛行許可申請を行ううえで、少し具体的な話になるのですが、できれば、操縦者の追加基準項目である「目視外飛行」と「夜間飛行」はぜひカバーしておきたいところです。
しかしこれらは、特定飛行になるので当然ながら監督者同伴である必要があります。
そういう意味では、やはり経験者か有資格者に監督者として訓練飛行に立ち会ってもらった方がよいのは言うまでもありませんね。
② トイドローンでの練習はOKか?
もう一つ、多くの方が抱きそうな疑問があります。
それは 100g未満のトイドローンでの練習は認められないのか、ということです。
しかし、残念ながら、100g未満の機体はいわゆる「無人航空機」には該当しないため、いくら練習しても飛行経歴10時間にはカウントできません。
ただ飛ばしてみれば分かりますが、実は安価なトイドローンの方がGPS制御がなかったりして安定した飛行を行うのが結構難しく、しかも少々何かにぶつけたり落としたりしても大丈夫なので、その分操縦スキルを磨くのにはもってこいなのです。
③ 屋内での飛行がベストアンサー??
屋内での飛行は当然特定飛行に該当しないので堂々個人で練習飛行できます。ヘルプデスクの担当者も言っていましたが、当然10時間の飛行訓練カウントOKです。
また目視外飛行も夜間飛行も自由に練習できます。
とはいえ、特に目視外飛行などどうやって練習するかはやはり誰か有資格者か経験者にアドバイスを仰いだ方がよさそうですね。
とにかく、もし屋内飛行施設などが使えるのであれば、使わない手はありません。
この屋内での練習がベストアンサーなのかもしれません。
次回予告
そういうわけで、次回は実際に飛行許可申請を行うにあたって、飛行の都度許可を取ることになる面倒な「個別申請」でなく、一度取れば日本全国一年間有効な許可(対象:目視外飛行、夜間飛行、人口集中地区での飛行、人または物件から30m未満での飛行)がもらえる、絶対おすすめの「包括申請を取る方法」等について紹介したいと思います。
乞うご期待!
